松尾みどり
みどりの泉
１．生と死の成立 12
これまでのカウンセリングセッションの中で、
クライアントのバース・ヴィジョン（出生体験）にも立ち会う事がありました。
過去世において自分自身を生きられなかった反省から、
今度こそは自分の真実で人生を生きたい、
そう願って過去の人生での自分の考え方のパターンに気づく為に
自ら高いハードルを設定してきます。
つまり、過去から引き続き持ち越している、
自分では受け容れる事が出来なかった気持ちを
呼び起こすような出来事に遭遇するのです。
この"自分の考え方のパターン＝カルマ（業）”をはっきりと認め、
自分を受け容れることが”自分自身の内なる神”へと通ずる第1歩だったのです。
そして逆境の中でも自分の創造性や能力を発揮し
道を切り拓く事で、自分の人生は大きく変わっていくのです。
また、その体験を通じて、得た智慧こそが
自分自身の創造のエネルギーとして糧となり、
より生き生きと自分の人生を生きることができるのです。
しかし、そのハードルの大半は辛く苦しいものでした。
自分で決めてきた事とはいえ厳しいとわかっている世界に
飛び込むのは勇気のいるものです。
生まれる為の準備は整っていても始めの一歩を踏み出すのに
躊躇したり、泣いてみたり、やっぱりやめようかと思いとどまってみたり、
そこでも様々なドラマが生まれます。
そうしてようやく意を決して産道へと向かうのです。
生まれてくるということは誰にとっても偶然ではなく、
自分が自分の力で選び取り、勇気を振り絞って
一歩を踏み出したその結果なのです。
自分が生まれてくることに協力してくれた両親や先祖には勿論、
何より自分自身への感謝は忘れずにいたいものです。