松尾みどり
みどりの泉
１．生と死の成立 7
私達は皆生まれて数年は過去の人生の記憶を持ち合わせていると言います。
子供ながらに家族や社会との関わりを持ち始めるにつれて
次第にそのことを忘れてしまうのかもしれません。
しかし中にはそうでない子供達もいます。
もう10年ほど前になるでしょうか、私はある男の子に出逢いました。
その子の名前はアオト君、笑顔のとてもカワイイ
本当にどこにでもいそうな男の子です。
でも、アオト君は他の子たちとはちょっと変わったお話をしてくれました。
それはアオト君が地球に来る前にいた星のお話です。
その星の名前はベニベニ星（ベニトール星）。
ベニベニ星は太陽のずっと後ろにあって、
アオト君はブラックホールを通って地球に来たのでそうです。
ベニベニ星はいつも夜で、みんな虫の姿をしていて光に弱いのだそうです。
地底に住みロボットが全部の家事などをしてくれます。
そこは水もなく土だけを食べて、生死はあっても年齢はないのです。
そして言葉は無くテレパシーで互いに話をします。
ベニベニ星では戦争が絶えず、
それも”ただ戦いたい”為にロボット同士を戦わせています。
アオト君は戦争を避ける為にブラックホールを通って、
戦争の無い未来のベニベニ星に逃げた事もありました。
でも、今回は初めてイメージで動く宇宙船に乗って星を出て
長い時間をかけて地球にやって来ました。宇宙船は途中の月に置いています。
初めて地球に来てまず驚いたのは道路に電柱があったり、
家の中にソファーがあったりといった生活の違いです。
食べ物もおいしくて中でもチキンと
”土の匂いのする”ポテトが大好物です。
地球の暮らしをとても気に入っていてプールや神社が大好きで
神社で焚き火をしたり、井戸に行くととても気持ちのいい波動を感じます。
私はアオト君に聞きました”どうして地球に来たの？”
アオト君は得意気に答えます”来たかったから！”
アオト君は心の望遠鏡で、
心のキレイなお母さんを見つけて地球にやって来ました。