松尾みどり
みどりの泉
１．生と死の成立 6
しかし、現実はなかなか夢のようには行きません。
”あの夢は一体何だったのかしら？”
信じていたはずのものが叶わない時焦りばかりが襲ってきます。
実はここに魂の大きなからくりがあったのです。
魂自体は個々の体験を通じて進化を続け
エネルギーの変動を繰り返します。
その過程で必要に応じて肉体を乗り換える時期がやってくるのです。
ご主人はこれまで、自分が自分に対し
心身ともにどれだけのプレッシャーを課してきて
自らの肉体を傷つけていたのかを知り、
自分の肉体の限界を受け容れました。
そして、新しい次の人生を始める第一歩として
もうすでに今生での死に向かっていたのです。
今までの体験から得た智慧と共に
魂は順調に進化のプロセスを辿りますが、
一方で肉体には一つの終焉がやって来ます。
こうして死の本当の意味を受け容れたときに,
静かで厳かな最期を迎えるのです。
余談ですが、ご主人のお通夜に参列した折にも
本当に穏やかで透明感のあるお顔をしておられ、
Mさんもスッキリとした表情で見送っていました。
死に向かう人とそれを見送る人、それぞれの立場のドラマがあります。
そのドラマを自分がどう受け止めているか、
それが魂からのメッセージだったのです。
人それぞれにこれまで生きてきたようにドラマの終焉を迎えます。
それが自分の人生の確認なのです。
では、ドラマの始まりには何があったのでしょう？
今度は人の誕生に目を向けてみます。